ポータブル蓄電池は処分方法が非常に厄介と言える状況があります。購入する前に知っておくべき「処分方法」の問題点について解説します。
自治体では回収していないところが多い
ポータブル蓄電池を含む「リチウムイオンバッテリー」は、自治体による家庭ごみの回収、あるいは粗大ごみの引き取りの対象外となっている場合が多いです。私が暮らしている都内某区などいくつかの自治体の回収品目リストを確認しましたが、粗大ごみでの回収を含め「回収不可」と記載されているか、リストに記載が見当たらない状況でした。
実は既に広く普及しているスマホ用のモバイルバッテリーについても、同様に自治体による回収が「不可」となっているケースが多いものの、一般の家庭ごみと一緒に捨てられているというのが現実です。リチウムイオンバッテリーは衝撃を加えると爆発・発火するためゴミ収集車や処理場での火災の原因にもなる場合があるので、家庭ごみとして排出しないよう注意してください。
ポータブル蓄電池の適切な処分方法
メーカーに回収を依頼する
一部のポータブル蓄電池のメーカーでは、使用済みの製品の引き取りを実施しています。各社に問い合わせた結果は以下のとおり(2022年6月にメールで問い合わせ)
Anker | 弊社ではモバイルバッテリーの無償回収を行っておりますが、ポータブル電源についても同様に、着払い伝票を手配のうえ回収させていただいております |
Jackery | 弊社Jackeryポータブル電源の廃棄方法に関しましては、 弊社にて回収を行っておりますので、 ご不要になりましたら弊社カスタマーサービスまでご連絡をいただけますと幸いです。 誠に恐れ入りますが、送付いただく際の送料はお客様負担となります |
EcoFlow | 廃棄の際には、ご住所のある自治体にお問い合わせいただき、その指示に従っていただく必要がございます。 自治体で対応しない場合は、お手数ではございますが弊社までご連絡いただけますでしょうか。 弊社にて無償回収させていただきます。(送料はお客様のご負担となります。) |
上記の3社については、メーカーの方で引き取りを行うとの回答でしたが、もう1社問い合わせた別のメーカーは非常に曖昧な回答であったため不安を覚えました。
JBRCの回収BOXを利用する
充電式電池の回収を行っているJBRCという業界団体があります。モバイルバッテリーやスティック式掃除機のバッテリーなど、JBRCに加盟しているメーカーが製造した充電式電池の回収を無料で行っています。
回収場所として町の電気店などが指定されており、私の自宅徒歩15分圏内だけでも2~3件以上がありました。こちらの回収を利用してポータブル蓄電池を処分することも可能です。
ただしJBRCの加盟企業の製品でなければならないので、購入した製品が加盟企業の製品でない場合は諦めるしかありません。
なお、各メーカーにJBRCの回収BOXでの処分について問い合わせた結果は以下のとおり。
Anker | “JBRCの小型充電式電池の回収BOX”もご利用可能でございます |
Jackery | 残念ですが、JBRC会員ではないため、JBRCの小型充電式電池の回収BOXの利用は不可でございます |
EcoFlow | JBRCの小型充電式電池の回収BOXでの回収には 対応しておりません |
JBRC加盟の別の1社に問い合わせたところ「JBRCに聞いてね」という曖昧な回答であったため不安を覚えましたが、JBRCに加盟しているAnkerは明確に「利用可能」との回答でした。
購入前に確認を
ポータブル蓄電池はまだ世の中にあまり出回っていない製品であるため、処分方法が確立していない部分があると言えます。
これから購入する場合は、メーカーやJBRCで回収してくれるものを選んだ方が安全と言えます。