2011年に東日本エリアで広範囲に実施された計画停電(輪番停電) もし次回実施される場合は、東京23区も対象となります。
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2011年実施時には「除外」された東京23区

2011年3月11日に発生した東日本大震災により多くの発電所や変電・送電設備が損傷を受けたことにより、東日本エリアで深刻な電力不足が発生しました。電力不足による全域での停電を回避するため、関東地方を中心に計画停電が実施されました。
東京電力管内の多くの地域で計画停電が実施された中、東京23区はその大部分が計画停電の実施対象から「除外」されました(荒川区と足立区の一部のみで計画停電が実施)
次回実施される場合は東京23区も「対象」に
東京23区でも計画停電が実施される
前回実施時に「除外」された東京23区ですが、次回計画停電が実施される場合は東京23区の大部分も対象地域に含まれる運用ルールに変更されたことが、2018年に読売新聞によって報じられています。
東京電力パワーグリッドの公式サイトにも、計画停電について「原則、すべてのお客さまにお願いいたします。」と記載されています。
病院周辺などは除外される場合も
東京23区に限らず、大規模病院など「重要施設」周辺では住宅などが計画停電が除外される場合があります。これは電気の配電線などの系統の問題により生じる差です。大規模病院と同じ経路で電気を引き込んでいる場合は計画停電の対象外となる場合があります。
新電力契約者も対象
勘違いされやすい点ですが、東京ガスやENEOSでんきといった新電力会社と契約している住宅や事務所等に関しても、計画停電は等しく実施されます。特定の電力会社と契約している施設だけが計画停電から除外されるということは原則としてありません。

計画停電実施の流れ
1回あたり2時間実施
計画停電は原則として、1日1回・2時間実施されます。
実施時間帯は電力不足の深刻度合いによっても変更になる恐れがありますが、東京電力パワーグリッドが2023年11月時点で公表している情報によれば9時30分~20時00分の間に実施するとしています。
実施時間帯は毎日変わる
計画停電が実施される時間帯は、地域ごとに日替わりで変更されます。特定の地域が毎日特定の時間帯に停電するといった偏りが生じないよう、順番を一日ごとに入れ替えます。実施時間帯はお住まいの地域の送配電会社(東京電力パワーグリッド等)の公式サイトから収集してください。
計画停電への備え
冷蔵庫の開閉は厳禁

計画停電の実施が1回2時間程度であれば、冷蔵庫・冷凍庫の中身はそのままでも問題無いケースが多いです。ただし一度でもドアを開閉してしまうと温度が上がるため、原則として計画停電実施中あるいは実施直前の時間帯は冷蔵庫のドアを開閉しないよう注意しましょう。
マンションのエレベーターなどは停止する
計画停電が実施される場合、マンションなどのエレベーターが停止します。エレベーター乗車中に停電した場合、エレベーター内に閉じ込められる場合もあるため、計画停電の実施が予定されている時間帯の直前はエレベーターを利用しないよう注意しましょう。施設の管理者は事前にエレベーターを停止させるなどの対応が必要です。
断水にも注意
計画停電が実施される地域とその周辺では、一時的な断水が発生する場合があります。水道施設への電力供給が停止するためです。2011年3月に実施された計画停電では、東京都水道局管内で8920件の断水と25500件の濁水(にごり水)が発生したとされています。
また、高層マンションなどでは電動のポンプで水を上階まで送水している場合があります。そのようなポンプが停止することで水の出が悪くなったり、断水する場合もあります。
計画停電中は実施地域外への「避難」が安全
計画停電が実施される時間帯は、予め計画停電を実施していない近隣地域へ移動しておくことをおすすめします。近隣のスーパーなども多くが営業を停止しますし、トイレやインターネットなど最低限のインフラの提供にも制限が生じる恐れがあります。冷暖房も使えなくなります(携帯電話4社の基地局はバッテリーや発電機を用意しているところが多い)
計画停電が実施されると信号機なども停止し移動に支障が生じるので、実施前に移動を完了させておくことをおすすめします。近隣地域の図書館、ファミレスなど場所を予め探しておくとよいでしょう。鉄道は原則として、計画停電の対象からは除外されます。