節約でんきの概要
運営会社 | (第一日本電力) ジョイントベンチャー(株) |
電力調達 | 詳細不開示 |
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供給エリア | 北海道、北陸、沖縄のぞく | 契約条件 | 特に無し |
目次
節約でんきの特徴
- 基本料金0円+一律単価の料金プラン
- 解約条件がやや厳しい
2016年に会社設立、2017年に電力会社としてのライセンスを取得して以来、とくに目立った動きを見せていなかった第一日本電力株式会社が2019年7月から本格始動したのが「節約でんき」です。2020年春頃にジョイントベンチャー株式会社という社名に変更したようですが、詳細は不明です。
契約する上で「気になる点」や「注意すべき点」があるので、その辺りも含めて詳しく解説していきます。
料金プランとサービスの解説
乗り換えでいくらお得になる?
乗り換えで、電気料金がどれくらい安くなるのでしょうか。
世帯人数別に、平均的な電気使用量のご家庭をシミュレーションしてみました。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
東北電力エリア | +10.4% +5206円 |
+2.3% +2538円 |
-2.0% -2597円 |
-5.2% -7816円 |
東京電力エリア | +7.2% +3700円 |
-0.9% -976円 |
-4.7% -6250円 |
-7.6% -11653円 |
中部電力エリア | +4.9% +2551円 |
+0.5% +538円 |
-2.8% -3662円 |
-5.3% -7916円 |
関西電力エリア | +3.9% +1744円 |
-6.1% -6246円 |
-8.1% -9492円 |
-9.7% -12964円 |
中国電力エリア | +4.8% +2234円 |
-6.0% -6398円 |
-7.7% -9283円 |
-9.0% -12369円 |
四国電力エリア | +2.5% +1185円 |
-6.7% -7223円 |
-8.6% -10577円 |
-10.1% -14165円 |
九州電力エリア | +6.2% +2853円 |
-0.4% -430円 |
-4.3% -5057円 |
-7.2% -9758円 |
基本料金0円にkWhあたり一律の料金単価が加算される料金プランです。先行して参入して主にウェブ経由で申込みを増やしているLooopでんきなどと同じ感じです。
料金単価はLooopでんきなどと比べて若干高く設定されています。公式サイトには「業界最安水準」とありますが、最安水準からは若干劣るというのが全地域総合しての評価です。契約アンペア数が大きい場合は「上位の」お得な料金プランではあります。
また、契約アンペア数などの条件によっては大手電力会社よりも電気料金が高くなることも少なくない点には注意が必要です。
解約時の違約金は?
2年以内の解約で5500円の違約金が発生します。
新電力会社としてはやや厳しい解約条件と言えます。
なお、同じような料金プランのあしたでんき、Looopでんき、楽天でんきなどはいずれも解約時の違約金が発生しません。
支払い方法は?
支払い方法はクレジットカードのみです。
口座振替やコンビニ払いには対応していません。
節約でんきの評価
「安くなる可能性100%」は誤り
公式サイトの最も目立つ場所に「東電・関電より安くなる可能性100%」とありますが、これについては誤りと言わざるを得ません。
上で紹介した料金試算の結果を見ても分かるとおり、使用量が少ない一人暮らし世帯などでは大手電力会社よりも「割高」となるケースがあるため、安くなる可能性は100%とは言えません(日本では3分の1が単身世帯)
また、同じく公式サイトに「最安挑戦中!」とありますが、あしたでんきやLooopでんきと比べるとやや高いので、最安水準には一歩及びません。使用量によっては「上位」のお得な料金プランではありますが、最安とか最安値水準というのはちょっと違います。
なお、2019年12月7日時点で改めて確認したところ、「400kWh程度ご利用いただいた場合」という但し書きが追加されており、上で指摘した問題点が解消されていることを確認しました。
基本料金0円キャンペーンの謎
公式サイトのトップページで「基本料金がずーっと0円 毎月先着100名様限定」との告知を行っていますが、この点に対しては疑問を持たざるを得ません。
「節約でんき」の供給約款の料金メニューには「基本料金は0円とします。」と記載があり、基本料金が発生する料金プランの記載が無いことから、先着順に限らず申し込んだ人すべてが「基本料金ずーっと0円」でなくてはならないはずです。
2020年5月10日時点で改めて確認したところ、上記の「キャンペーン」は削除されていましたが、「安くなる可能性100%」とあわせて同社の姿勢が問われる問題だと思います。
顧客対応は?
問い合わせはメールでのみ受け付けると公式サイトに記載されています。
なお2019年8月の平日12時に問い合わせたところ、30分後に返事がありました。対応の速さは評価したいです。今後顧客が増加しても今の水準を維持することを期待します。
環境面・エコ
電源構成としては、「卸電力取引所を利用せずに相対取引で仕入れている」との回答を2019年8月時点で得ています。
発電所を持つ企業と直接契約して電気を調達しているもようです。仕入れ先については開示できないとのことで、仕入れ先によっては環境負荷が大きい可能性もあります。
なお、環境省公表のCO2排出係数のデータは現在のところありません。