オール電化住宅で「まちエネ」と契約すると損

オール電化ではむしろ高くなる「まちエネ」


 ローソンが提供している「まちエネ」をオール電化住宅で契約してしまうと、電気代が大手電力会社よりも大幅に高くなってしまいます。そう言える理由と原因を、数字を交えてわかりやすく解説します。



まちエネ公式サイト

オール電化住宅でまちエネと契約するとどうなるのか


 数字を交えて解説します。


電気代が年間7千円高くなる


 東京電力エリア、10kVA契約で月に480kWh(昼300kWh/夜180kWh)の電力を使用する家庭を例に試算します(当サイトが想定するオール電化住宅モデルケース)


社名・プラン名 月額料金
東京電力
スマートライフ
13800円
まちエネ
きほんプラン
14416円

 Pontaポイント還元を含めて試算していますが、東電よりも安くなるどころか月600円以上高くなってしまう結果となりました。


 昼間の在宅時間が長い場合などには、安くなるケースも全く無いとは言い切れませんが、大手電力のオール電化プランと比較してオール電化住宅では高くなってしまうリスクが大きいと言えます。


電気自動車プランはどうか


 まちエネは一部エリアで三菱自動車の電気自動車・PHV車を所有する人に向けて「毎晩充電し放題!」というプランを提供しています。


 このプランに関しては、まちエネ公式サイトに以下のような記載があります。


オール電化や夜トクなど夜間の電気料金が元々お安いプランにご加入されている場合には、そちらの方がお安くご利用頂ける場合もあります。また、オール電化や夜トクなどのプランは一度解約されると、元の契約条件での再契約が出来ない場合もありますので、お申込み前にお客様にて、ご確認いただくことをおすすめいたします。

引用元:毎晩充電し放題!プランオール電化や夜トクからの切換えでも安くなりますか?(まちエネ)

 まちエネとしては、オール電化住宅に対しては積極的に推奨していないことが分かります。


 このプランでは、午前1〜5時までの使用量を予め約款で定められた使用量に固定して電気料金を計算するため、この時間帯に電気を多く使うことで「お得」になります。


 電気自動車の充電はもちろん、オール電化住宅のエコキュートの湯沸かしをこの時間帯に行うよう設定することで、大手電力のオール電化プランよりも電気代がトータルで安くなるケースもあります。


 ただし、契約出来るのが60Aまでとなっているため、戸建住宅で充電とエコキュートの湯沸かしを同時に行うとブレーカーが落ちてしまう場合もあるでしょう。やはり積極的に推奨することは難しいです。


三菱自動車の電気自動車

三菱自動車の電気自動車

なぜ高くなってしまうのか


 一般住宅では大手電力会社よりも安くなる「まちエネ」の料金プランですが、なぜオール電化住宅ではむしろ高くなってしまうのか。


 オール電化住宅では、エコキュートや電気温水器で深夜に大量にお湯をまとめて沸かし、貯めておくシステムが鍵となっています。こうした電気式の給湯器があるため、深夜の電力使用量が一般住宅と比べて大幅に大きいです。


東電オール電化プランの料金単価

東電オール電化プランの料金単価 昼と夜で1.5倍の価格差

 こうした特性にあわせて、深夜の料金単価を大幅に安く、そして昼間の料金単価を高く設定しているのが「オール電化プラン」の特徴です。


 まちエネの料金プランは深夜の安い料金単価の設定が無いため、オール電化プランと比較して割高となってしまいます。


まちエネ公式サイト

オール電化住宅はオール電化プランを選びましょう


 現状、まちエネはオール電化プランを提供していません。オール電化住宅では「オール電化プラン」の契約を推奨します。


 オール電化プランの一覧は以下の記事で紹介しているので、こちらを参考にしてください。大手電力会社のオール電化プランより年間1〜2万円の節約になるプランもあります。




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