取材を受けて感じたこと
ありがたいことに、私は全国紙や週刊誌を始め様々なメディアに「電力自由化の専門家」として取材して頂いた経験があります(参考:メディア掲載実績)
最近はネット等でメディアのあり方について批判の声が高まっていますが、こうしたメディア批判について、取材を受ける側の立場で感じることを記事にまとめようと思います。
目次
しっかりした記者が多いです
ネットではマスメディア全体を悪者のように扱い、「ネットこそ正義」と言わんばかりの乱暴な主張も数多く見受けられます。ですが私が実際に取材を受けてみて、真面目にしっかりとした仕事をしている記者も多いと感じました。
具体的なエピソードを紹介します。
時間の掛け方が違う
「ちゃんとした記者」の方は、一つの記事に対してしっかりと時間を掛けて丁寧に仕事をします。
私は基本的に電話で取材をお受けしていますが、20分足らずで終わる取材もある一方、90分近く様々話を根掘り葉掘り聞かれる取材もあります。話すこちらも大変ですし、スマホも発熱します。
そうした熱心な記者の方は、取材前の事前勉強もしっかりとされた上で的確な質問をしてくださいますし、出来上がった記事を拝見しても、ネットメディア(私の書く記事も含めて)とは全くレベルが違います。
細かい数字の一つ一つまで検証
当サイトでは電気料金の比較などで各プランのシミュレーション結果を公表しています。
記事にして頂く際、このシミュレーション結果の数字を引用していただく機会もあるのですが、しっかりと仕事をしている記者の方は数字の「根拠」を非常に厳しく突っ込んできます。
サイト上でも公表していますが、算定根拠を改めて尋ねた上で、その算定方法に基いて一つ一つの数字をご自身で再計算した記者の方もいます。
これは私が反省しなければならないことですが、Excelで算出した結果をサイトの方に転記する際、誤った数値(年額で数円程度の誤り)を入力していた事例があります。この誤りを記者の方に指摘された時は、私自身とても驚きました。
ネットの指摘通りの残念記者もいる
素晴らしい記者もいる一方、ネットで指摘されているような残念な記者の方もいます。
間違いを指摘して不掲載に
取材される際、記者の頭の中で一定の「ストーリー」が作られていると感じることが多々あります。それ自体は別に悪いことだとは思いませんが、その「ストーリー」自体が事実に反していることもあります。
例えば、ある業界紙の記者からの地域新電力に関する取材を受けたことがあります。
この記者の方はしきりに
「地域新電力が今とても注目を集めていると思いますが・・」
というお話をしていました。
ですが、当「新電力比較サイト」で地域新電力を紹介しているページ(googleで「地域新電力」と検索すると1位)のアクセス数はほとんどありませんし、SNSや他のメディアでも話題になっているとは言い難い状況ですから、注目を集めている事実は無いわけです。
その旨を延々とご説明したのですが、結局その後記者の方からの連絡が途絶えてしまいました。おそらく記事が不掲載になったのでしょう。
どこから「地域新電力が注目されている」という情報を得たのか分かりませんが、もし仮に私が「ええ、めちゃくちゃ注目されてますよ!」と取材に答えていたら、世の中に間違った情報が拡散されていたのではないかと不安を覚えます。
私の発言が他の人の発言として掲載
一つの記事の中で、複数の専門家の話が引用されている記事があります。
こうした形式の記事で、「これ、私が話したことだよ!」と確信を持てる内容が、別の専門家の方の話として記事になっている例に遭遇した経験があります。
読者の方にとっては、何の害も無い些細な問題だと思いますが、取材される側としてはあまり気持ちよくはないですね。
記事をごっそり無断転載された事例も
これは論外ですが、私が書いた記事をごっそり無断転載して本を出版した会社があります(詳細:晋遊舎様による無断転載について)
79ページ中、7.5ページが当サイトからの「コピペ」という酷い本で、わたしは大変なショックを受けました。ネットメディアも真っ青の「ありえない」仕事です。
メディア・リテラシーを高めることが大事
マスメディアの発信する情報は、ネットと比べて信頼性が高いというのは今も変わらないことだと思います。ですが、中には杜撰な仕事をする記者もいるので、情報の受け取り手としてメディア・リテラシーを高めていくことが求められていると思います。
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