安い裏には注意点も?ニトリのドラム式洗濯機を解説
10万円からと衝撃的な安さで注目を集めるニトリのドラム式洗濯機。安い裏にはどんなデメリットがあるのか、注意点をふまえて「買うべき人」「買うべきでない人」をズバリ結論付けます。
目次
衝撃価格 10万円~ニトリのドラム式洗濯機
ニトリが2024年11月に発売したドラム式洗濯機が乾燥機能付きで約10万円~と低価格で注目を集めています。以前にもドン・キホーテがプライベートブランドとして5万円台のドラム式洗濯機を発売したことがありますが、こちらは乾燥機能を省いた商品でした。乾燥機能付きで10万円~という価格は破格と言えます。
洗濯容量が10Kgと12Kgの2機種あり、10Kgの方が10万円前後という価格設定になっています。ニトリでは「共同開発した中国メーカーとコストを削減した」としています。
ND100KL1 | ND120KL1 | |
---|---|---|
洗濯容量 | 10Kg | 12Kg |
乾燥容量 | 5Kg | 6Kg |
乾燥 | ヒーター式 |
そんな「破格」のニトリのドラム式洗濯機にも欠点もあります。ドラム式洗濯機を自宅で使って10年近くになる私が解説します。

ニトリのドラム式洗濯機の注意点・デメリット
「破格」のニトリのドラム式洗濯機に潜む注意点とデメリットを解説します。
ヒーター式だから電気代が高い
今回発売されたニトリのドラム式洗濯機は乾燥が「ヒーター式」となっています。ヒーター式は脱衣所などに置いて使うセラミックファンヒーターやドライヤーなどと同じ原理で温風をつくり、衣服を乾燥させる方式です。
ヒーター式は構造がシンプルであるため本体価格を安くできる一方、乾燥運転時の電気代が「ヒートポンプ式」と比較して大幅に高くなります。ヒートポンプ式はエアコンと同じ原理で温風をつくり、衣服を乾燥させる方式です。
ニトリのドラム式洗濯機の消費電力量は明らかになっていませんが、他社製品ではヒーター式とヒートポンプ式の電気代の差は以下のようになっています。
縦型洗濯機 AW-10SD6 |
ドラム式/ヒートポンプ式 TW-117V5L |
ドラム式/ヒーター式 ES-H10B | |
---|---|---|---|
洗濯 | 2.3円 (87Wh) |
1.8円 (70Wh) |
1.8円 (68Wh) |
乾燥 | - | 16.1円 (620Wh) |
48.9円 (1880Wh) |
合計 | 2.3円 | 18円 | 50.7円 |
1回あたりの電気代はヒーター式が約30円高いです。毎日1回の洗濯乾燥を行った場合の年間の電気代差額は10950円に、5年で約5万円の差が生まれます。
とはいえ本体価格はその分かそれ以上に安価なのでトータルコストで見た場合に必ずしも「割高」となるわけではありません。
電力会社を割安な会社に乗り換えることで、電気代を平均で年間5千円~1万円安くすることができます。手続きはネットで5分あれば完了、工事も無く初期費用や解約金なども無い電力会社が多いです。当サイトでは452社の電力会社のプランを比較できるので参考にしてください。どの電力会社と契約しても、停電が増えたりすることは一切ありません(同じ線を通ってくるため)
乾燥時の衣類へのダメージもやや大きい
乾燥がヒーター式であるデメリットはもう一つあります。それは衣類へのダメージの大きさです。
一般的にヒートポンプ式よりもヒーター式の方が高温の温風で衣服を乾燥させます。乾燥時の温度が高いため、その分衣類へのダメージはより大きなものとなります。
とはいえヒーター式でも衣類のダメージが小さいかというとそんなことは無く、衣類の縮みはある程度避けられない部分があります。我が家では洗濯物は原則すべてドラム式洗濯機(ヒートポンプ式)で乾燥まで回していますが、衣類はある程度縮みます。
耐久性が「未知数」の部分も
「中国メーカーと共同開発」とのことで、どのメーカーと共同開発したのかは不明ですが数十年にわたり洗濯機を製造販売してきた国内メーカーと比較すると様々な知見の蓄積が劣ることが推測できます。耐久性の部分では国内主要メーカーと比較して劣る可能性があります。
ドラム式洗濯機で特にネックとなるのが、経年劣化に伴う乾燥能力の低下です。私が過去に購入し洗濯乾燥運転で毎日使用していた東芝製のドラム式洗濯機は約5年で乾燥運転完了後の洗濯物が「生乾き」となり、毎日追加で乾燥運転をかけてもなお湿り気を帯びていました。
「くらしのマーケット」で探した業者に分解清掃を依頼したものの、良くない業者に当たったため洗濯機が正常に動作しない状況となりました。その後メーカーの修理に来てもらい使用できる状態にはなりましたが、やはり洗濯物は「生乾き」でした。
メーカー修理の方いわく、ドラム式洗濯機で毎日乾燥運転まで行うとどうしても内部の配管などにホコリが蓄積していくことで、乾燥能力が低下していくとのことでした。最近の国内メーカーの機種には乾燥経路を「水洗い」する機能が付いているものが多いですが「それでも完全には防げないだろう」と教えてくれました。
ニトリのドラム式洗濯機にも乾燥経路を水洗いする機能がありますが、もし乾燥性能が低下した場合はメーカー修理を依頼することをおすすめします。

見た目は値段相応のチープ感がある
店頭で実機を見て感じた第一印象は、値段相応にチープな感じがある点です。パナソニックやシャープといった大手家電メーカーの、価格が2倍近くするドラム式洗濯機と比較するとやはり値段相応な部分は否めないです。
触ってみた感触としても、プラスチックの薄さを感じました。
ドラム式洗濯機は縦型と比べて見た目がスタイリッシュで生活感がより少ないため、インテリアとして求める方もいると思いますが、インテリアとしては正直どうなのかなと感じます。
天板が広い
店頭で実機を見て感じたのは、本体サイズのわりに天板が大きい点です。他のメーカーのドラム式洗濯機と比較して広く、また縁が数mm程度の盛り上がりがあるため、物を置きやすく落ちづらいと感じました。
ドラム式洗濯機は洗濯・脱水運転時に大きく揺れるため運転時に物を置くと落下する可能性があるため推奨はしませんが、例えば洗濯を終えた物を上に置いて畳む時に便利だと思います。

こんな人におすすめ
デメリットや懸念点もあるニトリの格安ドラム式洗濯機ですが、特性をふまえて以下のような方にはおすすめできます。
乾燥運転を毎日使わない人
乾燥運転時の電気代がヒートポンプ式よりも高い点はデメリットといえますが、とはいえ本体価格が安価なので特に乾燥運転を毎日使わない方には明らかにヒートポンプ式のドラム式洗濯機よりもトータルコストで安価です。
単身世帯
単身世帯の小型の機種ではそもそもヒートポンプ式の乾燥が付いたドラム式洗濯機がほぼ無く、他社製品でもヒーター式乾燥を採用していることがほとんどです。そのため単身世帯でドラム式洗濯機を選ぶ場合はヒーター式である点がデメリットとなりません。
加えて、単身世帯では洗濯物の量が少なく、洗濯を毎日行わないことも多いと思います。2日あるいは3日に1回の頻度で洗濯・乾燥を行うのであれば、ヒーター式の電気代の高さよりも本体価格の安さのメリットの方が明らかに上回ります。

関連記事
電気料金プランの比較表
電力自由化のプランを簡単に比較できます 452社掲載ドラム式洗濯機の分解清掃で故障した体験談
乾燥機能復活のはずが・・ドラム式洗濯機で乾燥出来なくなった時にまずやるべきこと
乾きが悪くなったら3年使って分かったドラム式洗濯機のメリット・デメリット17選
縦型洗濯機と比較して優れている点・劣っている点ドラム式洗濯機の電気代を計算した結果
実際にいくらかかるのか、計算しましたドラム式洗濯機で本当におすすめ出来るのはコレ
ランニングコストを含めてお得な機種を紹介します5万円台から!ドンキのドラム式洗濯機のメリット・デメリット
乾燥機能無しでこの価格
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |